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「モノ」が「デキゴト」に変わる時(2024年3月園だより)

2024-12-09
乳・幼児期の子ども達は、「遊び」を通して学び、成長していきます。そして何を楽しいと感じ、熱中して遊ぶのかは、一人ひとりの興味によって変わります。
 
つきぐみに、ニンジン大好きなS君がいます。その子の興味も含め菜園活動が始まり、先日クラスでクッキングをしたようです。「興味のあるニンジンそのもの」にS君が継続して関わり探求していくことで、ニンジンはただの「モノ」から、S君にとっての、そして興味を持って集まってきた友だちとの「デキゴト」へと変わっていきます。「ニンジンを育てたい!」「でもタネを買うには?お金はどうする?」「どこに買いに行く?」「どうやって育てる?」「葉っぱが大きくなってきたよ!」…。興味から出てくるたくさんの「問い」が、そのままクラスの生活を創っていき、遊びを探求する「デキゴト」になっていきました。
そしてクッキングでニンジンの葉っぱをきんぴらにしたとき、ある子が「苦くてな、ザ・ニンジンの葉っぱって感じだった!」と報告していたそうです。
「美味しい」「美味しくない」「好き」「嫌い」の2分だけでない、こんな豊かな「美味しくない」の表現も、今までのニンジンをめぐる「デキゴト」から生まれてきたように感じます。
 
はなぐみで展開してきた「乗り物プロジェクト」もそうですね。
最初は「消防車」「パトカー」という「モノ」への単純な興味でした。それが、興味のある子が集まって消防署に行ったり、部屋に消防車を作って遊ぶうちに、楽しさの対象は消防車そのモノから、消防車が好きな友だちが集まって日々消防士になって遊ぶという「デキゴト」の楽しさに変わってきます。
「モノ」への興味だけだと、誰が部屋の消防車で遊ぶか、取り合いになるかもしれません。でも、「デキゴト」を共有するようになった子たちは「火事ですか?」「火事です!」「今から向かいます!」「装着!」「出発!」「放水開始!」と「物語」を楽しみ、運転する子、ホースを展開して消火する子、そして最後には本物の消防士がするようにホースを丸めて収納する、そういう「消防車」をめぐる物語りを、今まで友だちと共有してきた「デキゴト」として楽しんでいきます。
 
今までたくさんの「デキゴト」を共有してきた皆さん。4月からは新しいクラスで、そして小学校で、どんな「モノ」に興味を持ち、それをどんな友だちと一緒に「デキゴト」にしていくのでしょうね。
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