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心が動く → 身体が動き出す

2021-10-08
心が動く → 身体が動き出す
さて、季節はスポーツの秋。コロナも少しおさまっての保育参加も、各クラス「運動会」の要素を取り入れながら始まりました。そこで今回は、「運動面の発達」について。
 
赤碕こども園では、子どもたちの興味関心から、日々の遊びや生活がスタートします。
ですので、例えば体育の授業の様に「今日はみんなでサーキット遊びをしますよ」「今日は跳び箱の日ですよ」と、みんな一斉にすることを先生が決める、ということはあまりありません。
 
こう言うと、「主体性はもちろ大事だけど、でもそれとは別に運動の指導もしないと、運動面の発達が遅れるのでは?」という疑問も出てくるかもしれませんね。

ところが、全国の幼児の運動能力を調査した論文(杉原隆・東京学芸大学名誉教授ら:2002年)によると、「運動指導を行っていない園の子どもたちの方が、運動指導を行う園の子どもより運動能力が高く、さらに運動指導を行う回数が多ければ多いほど、運動能力が低くなる」という結果が出ていて、正直驚きました。

保育業界では「子どもは遊びによって学び成長する」というのは「地球は太陽の周りをまわっている」のと同じくらいの真理ですが、これを「文字通り」に信じている人はもしかすると少ないかもしれません(「正直驚いた」…ということは、僕も信じてなかった一人になってしまいますね)。
 
以前、バトンを次々と受け渡しながら走る「リレー」に心ひかれた年長さんが、延々と何度も何度もバトンを繋ぎ、外遊びの時間中走り続ける…という姿が見られました。
もしこれをカリキュラムとして取り入れ、毎年年長さんに「さあ今週は外遊びの時間中、ずっとリレーするよ。一人一周で、バトンはこうやって受け渡して…」と言ったものならどうでしょう?
(たぶん次の日から「こども園に行きたくない!!」と泣いて訴えられるでしょうね。)
 
子どもたちは、興味を持ち「やりたい!」と思ったことには意欲的に取り組み、試し、チャレンジし、仮説を立て、考察し、葛藤を乗り越え、友だちと対話し、表現し…、まず「やりたい!」「おもしろい!」と「心が動く」ことで、「身体全体」が動き出し、「身体全体」で学び、成長していくのです。

もちろん子どもに任せっぱなしにしていれば運動能力が向上する、という事ではありません。子どもたちが「やってみたい!」と思える環境、興味のある活動から体全体で探求し、体全体が動き出す活動につなげていく工夫や関わりを、これからも続けていきたいと思います。
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